2011年10月21日金曜日

突然の電話

わずか1ヶ月ほどで退会された生徒さんがおられました。
別の教室をやめて転入してこられた生徒さんで、兄妹で来てくださっていました。

あるレッスンの日の当日、レッスン時間の直前になって突然お電話がありました。レッスンの付き添いはいつもお母様でしたが、仕事が忙しいとかで、お会いしたこともないお父様からの突然のお電話。「今日のレッスンからもうピアノをやめさせてもらいます」とのこと。

これまでの経緯がいろいろあるので驚きはしませんでした。
ただ、突然のことなので「ちょっと状況を説明していただけますか」とお願いしたものの、結局くわしい事情はよく分かりませんでした。(色々とつじつまが合わなくて)

もちろんピアノをやめるには様々な事情があると思います。経済的なこと、生活や環境の変化、興味の薄れ、先生との相性、などなど。でも、少なくとも自分が「やりたい」と言った習い事をこんな短期間でやめるという経験を積み重ねてしまって、あの子たちの価値観や感覚はいったいどうなってしまうのだろう…とすごく心配になります。もはや余計なお世話ですが…。

それと、電話一本で(スポーツクラブやエステの予約を解約するような手軽さで)ある期間なにかの教えを受けるという形でお世話になった人の元を去るという感覚は、私にはちょっとよく分かりません。

私自身、現在、ピアノのほかに声楽と英語のレッスンに通っていますが、もし何かの事情でやめる時には、お宅を訪問し、顔と顔を合わせてお話をし、ご挨拶をして失礼すると思いますから… (あくまで私の価値観です)

専門の道に進んだり、趣味として末永く続けたいと願う以外の人にとっては、ピアノというのはひとつの通過点にすぎないのかもしれません。いつかは「終わり」が来て、「子どものころの習い事」以上のなにものにもなれないのかもしれません。(もちろんそうでないことを願ってレッスンしていますが)

だけれども、だからこそ、良い形で気持ちよく、その「終わり」を迎えて欲しいとも思います。何年、何十年か後に思い出した時、そこからまた続きのストーリーを描こうと思えるような、素敵な記憶になるように。

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