2011年6月30日木曜日

いよいよ近づいてきました

発表会まで10日を切りました。
それぞれに最後の追い込みを見せてくれていて、頼もしい限りです。

今週は生徒さんに「どんな風にこの曲をひきたい?」「好きなところは?」「ちょっと苦手・難しいところは?」という質問をしています。「楽しくひきたい」「うれしい気持ちで」「間違えずに」「きれいに」などなど…答えはいろいろ。

好きなところは「大好きだという気持ち」が、苦手なところは「難しかったけどいっぱい頑張ったこと」が、聴いてくれているお客さんに伝わるといいねと話しました。あらためて曲を見つめなおすきっかけになると良いなと思います。

本番は、当然パーフェクトな演奏ができれば大成功なわけですが、必ずしもパーフェクト=良い演奏ではないというところが、音楽の難しいところであり、素敵なところでもあります。

「良い演奏」とは何なのか?というと、難しい問いですが、答えの1つとして「その日までどんなふうに音楽と向き合ってきたか」 ということが挙げられると思います。

たとえば、女優さんが演技力というものの裏側に「その人自身の生き方」を透けて見られているように。ピアニストも舞台の上では、その日までの取り組み方を隠すことはできません。良い意味でも、悪い意味でも。

失敗しても「良い演奏」というものがあり、パーフェクトでも 「良くない演奏」というものがあります。「良い演奏」は失敗してもパーフェクトでも人の心に届きますが、「良くない演奏」が聴く者の琴線に触れることはありません。

私は、何歳であっても、どんなレベルであっても、生徒たちには「良い演奏」を目指してほしいと思いますし、たとえ未熟で足りなくても、その路線上にいて欲しいと願います。

練習の時には口うるさく「音が」「手の形が」「フレーズが」「外しちゃだめ」と注意していますが(取り組み方に直結してくることだと思っているので)、その出来不出来を本番での評価にするではなく、それとは少しちがった(上に挙げたような)視点で、小さなピアニストたちを見守っていたいと思っています。

漠然とした表現で(語彙も少なく)うまくまとめられませんでしたが、何度も伝えていきたいことでもあるので、書かせていただきました。

以下は、発表会に出演する生徒さん向けのプリントです。本日より配布しておりますが、確認用としてデータを掲載しておきますので、よろしければご覧ください。

【出演者向け配布書類】発表会について

2011年6月28日火曜日

公開レッスン

「公開レッスン」をご存知ですか?
著名な先生のレッスンをホールなどで公におこない、演奏者は舞台上でレッスンを受けることで、観客は聴講することで、その先生の音楽を学ぶことができる、というものです。

実は、ある先生の公開レッスン受講者オーディションに応募していて、つい先日通知があり、めでたく合格でき(舞台上で演奏する人になることができ)ました。

昨年は聴講生としてこの公開レッスンに参加しました。先生の音楽がとてもすばらしくて、私もレッスンして頂けたらなぁと思っていたので、とても嬉しいです。

第21回姫路パルナソス音楽祭
上田晴子ピアノスクール「マスタークラス」

7月22日〜25日まで、姫路パルナソスホール(姫路市立姫路高等学校音楽ホール。音響も良くとても立派なホールです)にて開催されます。

聴講には2000円の聴講料がかかります。申し込み方法は、姫路パルナソスホールのホームページに記載されています。興味のある方はぜひ直接のぞいてみてくださいね。

私の受講日は7月22日(金)です。

すばらしい先生に音楽を教えていただけるまたとない機会ですので、楽しみでもあり、緊張もしています。当日はどうせまた朝からお腹が痛くなります、恒例行事ですから。がんばって全力で挑戦したいと思います。

2011年6月21日火曜日

神さまのように

ある大人の生徒さんが、長期休会されることになりました。
ご家族の健康の問題などやむを得ない事情が重なっての、突然のことでした。

1年ほど前から毎週レッスンに来てくださっていました。とても熱心な生徒さんで、来月の発表会にむけての準備も順調で、ピアノ自体もぐんぐん良くなっておられたところだったので、残念でならない気持ちです。(もちろんご本人のお気持ちはもっともっと…だと思います)

抱えておられる問題が1つずつでも解決し、心と体の負担が少しでも軽くなられるようにと、お祈りするばかりです。

音楽はいつでも両手をひろげて待ってくれています。あたたかなまなざしで見守ってくれています。たとえじぶんが音楽に目をむけていない時でも、そっとそばにいてくれています。神さまのように。

先の見えない不安な状況におられる中で、
「先生が音楽のたのしさを教えてくださったから…」
「先生とはまた縁があると思うから…」
と、電話越しに言ってくださったことばが、ずうっと耳からはなれません。

いつかまた、何らかのかたちで、音楽との素敵な再会がありますようにと、切に願います。

2011年6月13日月曜日

オルガン奏楽とコンサート

今週は多忙な土日でした。

土曜日は知人の結婚式の挙式で、オルガン奏楽をさせていただきました。
曲目・・・
【備え】我が祈りを聴きたまえ(メンデルスゾーン)
【前奏】トランペットヴォランタリー(Purcell)
【入場】結婚行進曲(メンデルスゾーン)
【讃美歌】21-493 「いつくしみ深い」
【指輪交換】モデラート アセイ(Merkel)
【讃美歌】21-101 「いのちとひかりたもう神よ」
【讃美歌】21-27 頌栄「父・子・聖霊の」
【後奏】応唱
【退場】結婚行進曲(ワーグナー)

この教会での奏楽は今回で2回目。歌の伴奏で、ピアノ演奏は過去に何度かさせていただいたことがあります。とてもアットホームな雰囲気の(いわゆる結婚式場のチャペルではないので、信仰生活を営んでおられる皆さんのやわらかな空気が伝わる)教会です。今回もまたこうして祝福の時を共に過ごさせていただけて、とてもうれしかったです。

時間の関係で写真は撮られなかったですが、ちょうど前回の時の写真付き記事があるのでご紹介しておきます。こんなところで演奏しました。→ [昨年8月の記事]

新郎新婦さんの準備が間に合わず1時間も式の開始が遅れるというアクシデントはありましたが、なんとか無事におわりました。そんなこともあるのだなぁと、驚きました。


そして日曜日は、午前中に生徒さんとのレッスンを終えて、午後からは玉井菜採さん(ヴァイオリニスト)のチャリティーコンサートへいってきました。

玉井さんのヴァイオリンは、まっすぐで、誇張がなくて、それでいて自由で、芯がブレなくて、やわらかで、正確で、ほんとうに素敵な音色なのです。おなかの辺りに、自然に、くうきのように、すぅーっと音が届いてくる感じ。プロティッチ先生の音色に共通するものがあるかもしれない。すごいなぁ…。

いい気分で大阪から戻り三ノ宮ですこし寄り道をしているあいだに、なんと人身事故が起きて電車が完全にストップしてしまいました。結局、いざ帰ろうと電車に乗り込んでから1時間ちかくも待ちぼうけをくってしまいました。とほほ。

最後はさすがに疲れましたが、でも、とてもすてきな2日でした。

2011年6月8日水曜日

レッスン室のようす

レッスン室のようすを写真に収めてみました。

ちょっとしたもの、レッスンで使うグッズ、生徒さんからのプレゼントなどなど、少しずつ記録していけるといいなと思っています。
(ホームページの方にupする良い方法を探し中。)




2011年6月5日日曜日

最近読んでいる本

空を爪で引っ掻いたような細い月の夜です。

満月といえば、外国のおとぎ話では狼男が変身したり、科学的には引力の関係で人間の集中力が散漫になり事故が増えるなどと言われていて、少しこわいイメージがありますが、

私は昔から三日月の方が苦手です。どうしてかと聞かれると困るし、何が苦手なのかと聞かれるとさらに困るのですが、なんとなくいやな感じなのです。今日おなかの調子が悪かったのも、細くて不気味な月のせいにしています。

さて、ピアノにもレッスンにも関係ないのですが、最近読んだ本&読んでいる本をご紹介します。

伊坂 幸太郎
・魔王
・重力ピエロ
・ラッシュライフ
・オーデュボンの祈り
・フィッシュストーリー
・グラスホッパー
・終末のフール

有川 浩
・阪急電車
・レインツリーの国

岩崎 夏海
・もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら

どこからどう見ても伊坂幸太郎にハマっているラインナップ…。この2ヶ月はけっこうたくさん本を読みました。あまり読むスピードが速い方ではないので、私にしては画期的な冊数です。代理レッスンに行っていたので、その道中の時間を読書にあてられたのも大きかったです。

専門書を読むのもこれくらい捗ると良いのですが…。

結婚式の奏楽

今日は、大阪西成区にある岸里教会という教会へ、結婚式のリハーサルにいってきました。
挙式でオルガン奏楽をさせて頂くことになっているのです!

この教会で結婚式の奏楽をさせていただくのは2回目です。私はピアノ専攻なのでオルガンは専門外ですが、大学時代に通っていた教会での奏楽の経験や、この教会に通っておられる声楽家さんの伴奏をさせていただいた繋がりがあって、ご依頼をいただきました。

礼拝(結婚式も含めて)での奏楽はけっこう特殊なところがあります。

例えば、献金の時の奏楽です。献金は、担当の方がかごをもって回ったり、かごを順番に回したりして集めます。その時に演奏するBGMは「全員の献金が終わると同時に曲を終了させなければならない」ので、人の動きもこまめに見ていなければならないですし、どの部分を弾いていてもスマートに曲を終了させる術も持っていなければなりません。

結婚式だと、入退場の時の曲、指輪の交換の時のBGMで、これをしなければなりません。

私はわりと几帳面で、なおかつ、ものすごく心配性な性格なので、このための準備はすさまじく念入りに行います。簡単に言えば、何パターンも何パターンも、とにかく考えられるすべての終了パターンを練習します。時には、1小節毎に終了パターンを考えたりします。気が遠くなりますよね。笑

でもやります。本番に使用するのはその何十のパターンの中のたった1つですが、それでも、やります。

もちろんそんなことをしなくても、その場その場で臨機応変に「できちゃう」人(いわゆる、アドリブのきく人)もいらっしゃると思いますが、私は性格上そういう挑み方はできないので、無駄が多いかもしれませんが それだけ時間を費やして準備します。

損な性格なのかなぁと思うこともありますが…でもこういう努力が自分自身の等身大の「プライド」を作り、保っていると思うので、やっぱり外せない大切な行程なのです。

それに、本当の意味の「プライド」は、努力とそれによる経験からしか得られないのではないかなと思っています。

自分は、自分以上でも自分以下でもありません。自分以上に見せかけようとすると「虚栄」になってしまうし、自分以下に見せようとすると「心にもない謙遜」になる。どちらも偽物の自分に過ぎません。

私は無駄に自慢するのも、無駄に謙遜するのも嫌いです。だからこそ「まだまだ」と思えば正直に「だめだ」と言うし、「がんばった」と思えたら正直に「よかった」と言います。でもそのためには、努力の積み重ねによる裏付けがいつも必要。

今日のリハーサル中に教会の副牧師さんからBGMを適当に終われることを褒めていただいたところから、色んなことを考えていました。とりとめもなく…。オチもまとめもありませんがご了承ください。(文章の終わり方は練習不足のためヘタクソです)