2011年4月12日火曜日

「がんばる」こと

「教える」というお仕事をさせて頂いていて思うのは、「がんばる」って大切なことだな、ということです。

私の個人的な感覚ではあるのですが、一時期、がんばるなんてダサイとか、別にがんばらなくてもいいよオンリーワンなんだから(ゆとり教育の頃)という風潮が、やたらと強くあったように思うんです。
 
でもその結果、いったい何を大切にして、何を基準に生きていけばいいのか分からない、自分の存在に自信がなく、いつも不安な若者たちが、たくさん生まれてしまったように思います。(と、偉そうに語りながら、私も先輩方から見れば「頼りない最近の20代」とかいう括りに入ってしまうような者ですが…)

「何もがんばったことないし」「何やっても続かないし」と、せっかく自分が今まで歩いてきた人生を、きらきらと語ることができない人。
 「じぶんはもっとできるハズなんだ」と高い理想を掲げながらも、がんばることができずに苦しんでいる人。

今まで出会ってきた中で、こういうひとたち(もちろん、生徒さんのことではないですよ)をたくさん見た気がします。

私は、がんばるって素敵なことだと思っています。

なぜかと言うと、がんばれば必ず「良いこと」があります。「良いこと」は目に見える結果(表彰状だったりトロフィーだったり) の時もあれば、静かに自分の心の中に蓄積されていくだけの、目に見えないものの時もあります(その方が多いです)。

何年も何年も見えなかったのに、突然目に見えるかたちとなって現れる時もありますが、それは「がんばる」ことを続けていた人だけが知ることのできる喜びです。

対象は何だって良いと思います。私はピアノを教えていますので、できればピアノを通して、音楽を通して、そういった体験をして欲しいと思いながら生徒さんと日々向き合っていますが、例えばお勉強でも、ダンスでも、運動でも、地域のボランティアでも、好きなものなら何でも良い。

ただ大切なのは、「続ける」ことと「何らかの犠牲を払うことへの忍耐」を持つことじゃないかなと思います。でも子どもが自力でこのような壁を乗り越えるのは難しいですので、周りの大人のサポートが必要です。

国の教育方針もコロコロ変わり、経済も不安定で物の価値観が簡単に変わってしまうような今の社会で、頼れるものは、自分の心を支えてくれる実績(がんばり)をどれだけ蓄えてこられたか…なのではないかなと感じています。

それがあれば、自分の知らない世界へ踏み出す勇気や、未来の自分に対する希望も、生まれてきます。「結果は分からないけど、精一杯がんばろう。がんばれる。」と自分を信頼してあげられることは、人生の大きな支えになります。私は、そう思います。

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